ゴールデンステート・ウォリアーズを率いるスティーブ・カーヘッドコーチが、プレーオフ通算勝利数を「109」勝とし、NBA歴代単独6位に浮上した。この記録は、カーHCの卓越した指導力と、プレーオフというプレッシャーのかかる舞台での勝負強さを証明するものだ。

カーHCが指揮官として初めてプレーオフの舞台に立ったのは、2015年のこと。この年、ウォリアーズは圧倒的な強さで勝ち進み、見事NBAチャンピオンに輝いた。以降、カーHCはチームを率いて6度のNBAファイナルに進出し、4度の優勝を果たしている。
スティーブ・カーの采配手腕
彼の采配の特徴は、選手の個性を最大限に引き出す柔軟な戦術と、状況に応じた的確なタイムアウト、そして何よりも選手たちからの厚い信頼にあるだろう。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンといった核となる選手たちはもちろんのこと、ベンチメンバーに至るまで、カーHCの指導の下でそれぞれの役割を理解し、チームのために最大限の力を発揮している。
カーHCのプレーオフでの勝利には、数々の印象的なエピソードがある。2016年のウェスタン・カンファレンスファイナル、オクラホマシティ・サンダーとの第6戦。1勝3敗と崖っぷちに立たされたウォリアーズを、カーHCは冷静な采配と選手へのメンタルケアで立て直し、劇的な逆転勝利へと導いた。このシリーズは、カーHCの指導者としての手腕を世界に知らしめることとなった。
また、カーHC自身も現役時代にシカゴ・ブルズとサンアントニオ・スパーズで5度のNBAチャンピオンに輝いた経験を持つ。マイケル・ジョーダンやティム・ダンカンといった偉大な選手たちと共にプレーした経験は、彼の指導哲学の礎となっていると言えるだろう。「チームファースト」の精神や、プレッシャーの中で力を発揮するためのメンタルコントロールなど、現役時代の経験が今の指導に生きていることは想像に難くない。
プレーオフ通算勝利数でカーHCの前にいるのは、フィル・ジャクソン、グレッグ・ポポビッチといった、NBA史に名を刻む名将たちだ。彼らに続く6位という記録は、カーHCがすでにバスケットボール界の偉大な指導者の一人として認められている証拠と言えるだろう。
しかし、カーHCの目は常に未来を見据えている。現状に満足することなく、常にチームをより高みへと引き上げようとする彼の姿勢がある限り、プレーオフでの勝利数はさらに積み重ねられていくはずだ。ウォリアーズ王朝を築き上げた名将の新たな記録樹立に、これからも注目が集まる。