3月8日(現地時間7日、日付は以下同)、デンバー・ナゲッツはホームのボール・アリーナでフェニックス・サンズと対戦した。ナゲッツのスターティングメンバーはニコラ・ヨキッチ、ジャマール・マレー、マイケル・ポーターJr.、アーロン・ゴードン、クリスチャン・ブラウンの5名。
盤石の布陣で序盤から攻勢を仕掛けたナゲッツは、前半68-56と12点のリードを奪い試合を折り返した。しかし、後半にリズムを掴んだサンズが追い上げを見せると、第4クォーター終了のブザーまで点の奪い合いが続く激しい試合展開となった。122-122の同点で迎えた第4クォーター残り1.4秒、ヨキッチからパスを受けたブラウンが冷静に3ポイントを沈めリードを奪うと、その直後にサンズのケビン・デュラントがブザービーターの3ポイントを決め、125-125で試合はオーバータイムに突入。
延長ではナゲッツがヨキッチを起点に多様なオフェンスを仕掛け着実に点差を広げ、最終スコア149-141でナゲッツが勝利した。ヨキッチはこの試合で31得点21リバウンド22アシストのトリプルダブルをマークし、NBA史上初めて“1試合で30得点20リバウンド20アシスト以上を記録した選手”となった。 トリプルダブルに関する記録に関しては、現在ヨキッチのチームメートであるラッセル・ウェストブルックがオクラホマシティ・サンダーでプレーしていた2019年4月に“20-20-20”を記録したことが記憶に新しいが、この記録も1968年のウィルト・チェンバレン(当時フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)以来51年ぶりの快挙であった。
前人未到の大記録
ウェストブルックの記録からわずか約6年後、ヨキッチが前人未到の記録を打ち立てた。また、ヨキッチが今回記録した22アシストは自身のキャリアハイである上に、ナゲッツの球団史上2位タイの数字でもあるという。

ヨキッチは試合直後のインタビューに応じコメントを求められると、冷静に笑みを浮かべながら以下のように語っている。 「僕のキャリアが終わった時に、“あれは良い試合だったなあ”と思い出すことになると思う。でも今は、これから控えるバック・トゥ・バック(2日連続の試合)に向けてどうやって体を休めるか、ってことだけを考えているよ」 ヨキッチのコメントからは、自身の個人記録よりもあくまでチームの勝利を優先する姿勢が垣間見えた。ナゲッツは3月10日と11日に敵地でオクラホマシティ・サンダーとの2連戦を控えている。