「間違いなく、世界中の誰も我々がこの試合に勝つとは思っていなかっただろうね。このチームは何人か欠けていて、相手も重要な選手を欠いていたけどね」。
ポートランド・トレイルブレイザーズのチャウンシー・ビラップスHC(ヘッドコーチ)は、1月11日(現地時間10日、日付は以下同)のブルックリン・ネッツ戦を114-108で制した後にそう語り、さらにこう続けていた。 「このチームの誰よりも、私自身がうれしいね。我々はこのビル(ホームのモーダ・センター)で何度も負けて苦しんできた。大敗も多くしてきたから」。
ブレイザーズは11日終了時点でウェスタン・カンファレンス10位の16勝24敗。ホームでは14勝11敗と勝ち越しているものの、悔しい敗戦も経験してきた。そしてネッツ戦はチームトップ3の得点源(デイミアン・リラード、CJ・マッカラム、ノーマン・パウエル)を欠き、ラリー・ナンスJr.という貴重なビッグマンも欠場。それでも、アンファニー・サイモンズが23得点6リバウンド11アシスト、ロバート・コビントンが21得点3スティール3ブロック、ベン・マクレモアが20得点をマークするなど、イースタン・カンファレンスの上位チーム相手に金星を手にした。
そんななか、ビラップスHCは今季2戦目となったネッツのカイリー・アービングをポイントガードとして「最もスキルが備わった選手」と絶賛。
現役時代、デトロイト・ピストンズやデンバー・ナゲッツなどで冷静沈着かつ勝負強い司令塔として活躍し、2004年のNBAファイナルではロサンゼルス・レイカーズを破る殊勲者となってMVPにも輝いたビラップスは、カイリーについてこう話していた。
「カイリーはまさに天才なんだ。必見の選手だと私は思う。スキルが本当に豊富に備わっている。だから彼がプレーする時にはものすごいことをもたらしてくれるんだ」。
ブレイザーズ戦で、カイリーはケビン・デュラント(28得点10リバウンド5アシスト)に次ぐ22得点に8リバウンド4アシストを記録。変幻自在のボールハンドリングからドライブやプルアップジャンパーを繰り出し、巧みなフローターや絶妙なスピンをかけたレイアップでフィニッシュする男は、ポイントガードとしてリーグトップクラスの得点力を有している。
ビラップスHCは「彼のショットメイキングはすばらしいね。それに皆が評しているよりもずっとうまいパサーだ。彼はチャンピオンなんだ。チャンピオンシップで得た経験を持ち込んでくれる」とコメント。さらにクリーブランド・キャバリアーズの一員として16年のNBAファイナル第7戦でゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に沈めたサイドステップから繰り出した3ポイントを「NBAファイナル史上、たぶん最も大きなショットだと思う」と称えていた。