【NBA契約】ベン・シモンズ、ニックスとミニマム契約間近か:再起の可能性と課題

ニューヨーク・ニックスとミニマム契約での契約が報じられるベン・シモンズの胸から上の写真
ベン・シモンズ、ニックスで再起なるか──契約間近のニュースに注目

2025年9月2日(現地時間) — NBA元オールスターのベン・シモンズが、ニューヨーク・ニックスと**ベテラン最低保証契約(ミニマム契約)**での合意に近づいていると報じられています。複数の信頼できるメディアによれば、契約はまだ正式発表には至っていないものの、関係者の情報をもとに交渉は最終段階にあるとのことです。

NBAのミニマム契約とは、チームが支払える最低限の年俸で選手と契約できる制度です。

  • ベテラン選手でも、年齢や過去の成績、ケガ歴などで高額契約が難しい場合に用いられます。
  • 契約金額は選手の経験年数に応じて決まり、チームにとっては低リスクで補強できる手段です。
  • 選手にとっては、実績を示しキャリアを再起させるチャンスとなります。

たとえばベン・シモンズも、ミニマム契約でニックスに加入すれば「ローリスクで挑戦できる舞台」となるわけです。低予算でも、大きなインパクトを残せる――これがミニマム契約の魅力です。

ニックスはオフシーズンにジョーダン・クラークソンやギュルシェオン・ヤブセレを補強済みで、サラリーキャップ制約のため、ベテランミニマム契約での補強が現実的な選択肢となっています。シモンズはサイズと守備力、パス能力を兼ね備えた万能型選手として、ローテーションの厚みを増す役割が期待されています。

  • 生年月日:1996年7月20日(29歳・2025年時点)
  • 出身地:オーストラリア・メルボルン
  • ポジション:ポイントガード/フォワード
  • NBAキャリア:2016年ドラフト全体1位(フィラデルフィア・76ers)
  • 主な実績
    • 3度のオールスター選出
    • 2度のオールディフェンシブチーム選出
    • NBAオールルーキー1stチーム選出
    • 2018-19 NBA最優秀新人賞

1.怪我の多さ

  • シモンズは腰と背中の故障を繰り返しており、キャリアを通じてシーズン全休や長期離脱を経験。
  • 健康状態への信頼が低く、「シーズンを通して働けるのか」という不安が常につきまとっています。

2.得点力の欠如とシュートの課題

  • NBA入り当初からシュートレンジの狭さが指摘され、特に3Pシュートがほぼ打てないことは大きな弱点。
  • フリースロー成功率もキャリア平均56%台と低く、クラッチタイムでは使いづらい。
  • その結果、得点面でのインパクトが減少。かつての「万能型司令塔」というイメージが薄れてしまいました。

3.精神面・メンタルの問題

  • 2021年プレーオフ(76ers時代)での不振以降、シュートに対する消極性やプレッシャーへの脆さが露呈。
  • その後のメンタルヘルス問題も相まって、チームが彼を主軸として信頼しづらくなりました。

4.高額契約からのリスク回避

  • ネッツ時代には年俸3500万ドル以上の大型契約を結んでいましたが、パフォーマンスはそれに見合わないものに。
  • そのため、他チームは高額契約では獲得を避け、「ローリスクで試す」=ミニマム契約しか選択肢がなくなったのです。

5.若手台頭と役割縮小

  • 現在のNBAはスモールボールとアウトサイドシュートが重視される時代。
  • シモンズのようにシュートが苦手なビッグガードはシステムに合わず、役割は限定的に。
  • 若手や万能型フォワードの台頭により、シモンズの市場価値はさらに下落しました。

208cmというサイズを持ちながらボールハンドリングをこなす超大型ポイントガード、ベン・シモンズ。かつて一部で『次世代のレブロン』とも期待され、オールスター3回、オールNBA選出の実績もある。

しかし2025年現在、彼の市場価値は急落し、ニューヨーク・ニックスとのベテラン最低保証契約(ミニマム契約)が現実味を帯びている。なぜスタープレイヤーだったシモンズがここまで落ち込んでしまったのか。そして、彼に再起の可能性は残されているのか。

スターから“ロールプレイヤー候補”へ

シモンズの価値を下げた最大の要因は、ケガとシュート力不足だ。
腰と背中の故障に悩まされ続け、ここ数年はシーズンを通じてプレーすることが難しかった。さらに、外角シュートをほとんど打てず、フリースローも苦手。NBAがスリーポイント重視の時代にシフトする中で、オフェンス面での弱点は致命的だった。

その結果、かつての「フランチャイズの顔」という立場から、「守備とパスを武器にするロールプレイヤー」へと役割を変えざるを得なくなっている。

再起へのカギは“割り切り”

ただし、シモンズにはまだ光るものがある。
208cmのサイズを持ちながらガードを守れるディフェンス力、そして視野の広さとパスセンスは、いまもリーグ有数の武器だ。

重要なのは、「自分はもうチームの絶対的エースではない」と割り切れるかどうか。
ドレイモンド・グリーンのように、得点ではなく守備とプレーメイクで勝利に貢献する役割に徹すれば、再び評価を取り戻す可能性は十分にある。

取り戻すべき“3つの信頼”

シモンズが復活するためには、以下の3つの信頼を回復する必要がある。

  1. 健康への信頼
    →シーズンを通じて継続的にプレーできるか。
  2. オフェンスでの積極性
    →得点は少なくても、リングにアタックする姿勢を見せられるか。
  3. メンタルの強さ
    →批判やプレッシャーに負けず、自信を持ってプレーできるか。

出典

編集後記:ベン・シモンズ、29歳の挑戦

ベン・シモンズが再びNBAの舞台に立つ日が近づいています。29歳という年齢は、まだまだ選手としての可能性を秘めた年齢です。かつてのオールスター選手が、ミニマム契約での再出発を選んだ背景には、彼自身の成長と変化への意欲が感じられます。

しかし、シモンズの道のりは決して平坦ではありません。過去のケガやメンタル面での課題は、彼のキャリアに影を落としました。特に、プレッシャーのかかる場面での消極的なプレーや、フリースローの不安定さは、批判の的となりました。これらの課題にどう向き合い、克服するかが、今後の彼の成長に大きく影響するでしょう。

彼の再起が成功するかどうかは、彼自身の努力とチームのサポートにかかっています。29歳という若さを武器に、シモンズが再び輝く姿を期待したいと思います。