
血栓症による長期離脱からの復帰。サンアントニオ・スパーズのフランチャイズスター、ヴィクター・ウェンバニャマがメディアデーに登場し、体格の変化やトレーニング内容、チームとの関係性が注目を浴びている。本人やチーム、ファン、チームメイトのコメントも交えつつ、復帰の確度と期待値を探る。
ウェンバニャマ、完全復活へ
スパーズは公式に、ウェンバニャマがプレー可能な状態であると発表し、メディアデーにも本人が出席して健康状態を強調した。
この長期離脱の原因となった深部静脈血栓症(DVT)は、2025年2月20日にチーム側から発表され、ロイター通信が報じている。復帰の可否についてはチーム・医療陣が慎重に判断を続け、メディアデー(9月末)で“完全復帰可能”との扱いに切り替えられた。ロイター通信は、そのタイミングに合わせて体格の増加も指摘して報じている。
身長がさらに伸び、7フィート4インチに
メディアデーで示された身長は「7フィート4インチ(約224cm)」。昨季よりも高く表記されるようになっている。
オフシーズンの重点は筋力・耐久性の強化にあった。ウェンバニャマ本人は「この夏、より“暴力的(more violent)”なトレーニングを選んだ」と語っており、量・強度ともこれまで以上を志向したことを明らかにしている。
ファンの前でのスクリメージ — 感触は良好
スパーズのオープン・スクリメージ(Silver vs Black)では、満員の観客が見守る中、豪快なダンクなどを披露。観衆の歓声や期待感が記者報道を通じて伝えられており、復帰後の第一印象は好意的なものとなった。
用語:スクリメージ|scrimmage
「スクリメージ(scrimmage)」は、バスケットボールやアメリカンフットボールで行われる“練習試合”や“模擬ゲーム”のことです。
- 目的
- 実際の試合形式でプレーを確認する
- チーム戦術や選手のコンディションをチェックする
- 若手や新人選手の試験的起用
- 特徴
- 得点はつくけど公式試合ではない
- コーチが自由にルールや時間を短縮して行うこともある
- メディアやファンに公開されることもある(オープンスクリメージ)
つまり記事中でいう「オープン・スクリメージ」は、ファンが見られる形の練習試合で、ウェンバニャマが完全復帰後の状態を披露した場面を指しています。
本人・チーム・チームメイトのコメント
ウェンバニャマ本人
- 「This summer, I chose to do something much more violent … I wanted to get my body back.(この夏、より暴力的なものを選んだ。体を取り戻したかった)」 — メディアデーで本人が述べた言葉(The Athletic / Bleacher Report 経由)
- メディアデー質疑で「より強く、コンディションは良い」と発言。復帰意欲を明確にしている。
チーム/コーチの見解
- チームは医療モニタリングを継続しつつも、復帰可能と判断。公式発表や広報対応には慎重な姿勢も見られる。
- 新体制のコーチ陣は、ディフェンスを軸にチームを構築する意向を示しており、ウェンバニャマ復帰がその核になると期待されている。
チームメイトの声
- ステフォン・キャッスル(Stephon Castle):
- 「He’s been looking great. Healthy and in shape. He’s been working his tail off all summer.(彼は素晴らしい。健康でいい状態だ。夏の間ずっと懸命に取り組んできた)」
- 「He’s been looking great. Healthy and in shape. He’s been working his tail off all summer.(彼は素晴らしい。健康でいい状態だ。夏の間ずっと懸命に取り組んできた)」
- ルーク・コーネット(Luke Kornet):
- 「一緒にやることで去年とは見え方が変わるだろう。最適なやり方を見つけていきたい」
- 「一緒にやることで去年とは見え方が変わるだろう。最適なやり方を見つけていきたい」
- その他の若手・補強組も、強化されたフィジカルに驚きと期待を示しており、チーム全体での期待感が高まっている。
ファンの反応
スクラメージ会場、ソーシャルメディア(X/Twitter 等)では「帰ってきた」「別人のように強くなった」といった好意的な声が目立つ。現地メディアの会場レポートやツイート報道には歓声、賛辞コメントが散見され、復帰への期待値を裏付けるものとなっている。
懸念点:長期的な耐久性と管理体制
ただし、超長身選手に特有の耐久性リスクを指摘する声も一定数ある。体格変化に伴うケガリスク、身体ケアの難しさは依然として課題であり、チームは予防的モニタリング体制を強化する方針であると報じられている。
展望:スパーズ、ウェンバニャマを中心に再浮上を狙う
血栓症発表(2025年2月)から回復プロセスを経て、メディアデーでの“完全復帰”状態の提示。本人、チーム、チームメイト、ファンからのコメントを総合すれば、スパーズは彼を中心とした守備重視の新構想を始動させようとしている。ただし、最重要課題である健康管理と長期的な耐久性への配慮は、引き続き注目すべき点である。