
2025年9月、ポートランド・トレイルブレイザーズの売却が正式に成立しました。買収額は約42億5000万ドルと報じられており、NBAチームの価値高騰を象徴する大型案件となっています。本記事では売却の背景、影響、そして他チームとの比較を通じて、今回の取引がNBA全体に与える意味を深掘りします。
ブレイザーズ売却の背景
ブレイザーズは長年リラードを中心に競争力を維持してきましたが、チームの再建や資金調達の観点から、オーナーであるポール・アレン家が売却を決定しました。
ポール・アレン家について
ポール・アレン氏はマイクロソフト共同創業者として知られ、2000年代以降はスポーツチームの所有や慈善活動に注力してきました。アレン氏の死去後、家族が保有するブレイザーズ株を管理・運営しており、今回の売却決定も家族による判断によるものです。
売却成立の詳細と今後の展望
売却額は約42億5000万ドルで、過去のNBAフランチャイズ売却額を大きく上回る水準です。買収者はトム・ダンドン氏が率いる投資家グループで、シール・タイル氏、マーク・ザール氏、ペギー・チェング氏、アンドリュー・チェング氏などが含まれています。チェング夫妻は総資産75億ドル以上と報じられ、NBA以外のスポーツ運営経験を持つメンバーも含まれると報じられています。NBA理事会の承認を経て、正式な経営権移行が進められました。
ダンドン氏は現在もNHLのカロライナ・ハリケーンズを所有しており、今回のブレイザーズ購入は他チームの所有に影響を与えるものではありません。今後、ブレイザーズは新オーナーの下で再建期を迎えることになり、フロントオフィスの体制や戦略の見直しが注目されます。
他チームの売却事例との比較
完全売却が成立したチーム:サンズ、バックス、マブス
- サンズ(2023年):マット・イシュビア氏が約40億ドルで買収
- バックス(2023年):ハズラム氏らが約35億ドルで取得
- マブス(2024年):ミリアム・アデルソン氏が約38億ドルで買収
直近数年では、フェニックス・サンズ、ミルウォーキー・バックス、ダラス・マーベリックスなどで完全売却が行われています。これらのケースでは、新オーナーがチームの全株式を取得し、経営方針や戦略の全面的な変更が可能となっています。
誤解されやすいケース:レイカーズとセルティックス
一方で、ロサンゼルス・レイカーズやボストン・セルティックスは、報道上「売却」と表現されることがありますが、実態は部分的な持分売却や経営権の移行で、完全売却ではありません。特にレイカーズは、マーク・ウォルター氏による過半数の経営権取得が報道されましたが、バス家が一定の株式を保持するため、「完全売却」と誤解されやすい状況です。
売却がNBA全体に与える意味
ブレイザーズ売却は、NBAチームの価値が急速に高まっていることを示す象徴的な出来事です。新オーナーの下での経営戦略やチーム再建が注目される一方で、チーム売却のニュースが誤解を生むことも少なくありません。NBAフランチャイズの所有構造や経営権の移行を正しく理解することが、ファンや投資家にとって重要です。
まとめ
ポートランド・トレイルブレイザーズの売却は、NBAチーム価値高騰の象徴であり、今後のチーム再建や経営方針の変化に注目が集まります。他チーム売却との比較や誤解されやすいケースを理解することで、ファンはより正確な情報を得ることができます。関連記事リンクから、レイカーズやセルティックスの実態についても確認してみましょう。
出典元・参考情報
※リンク先は2025年9月時点で有効ですが、将来的に削除・変更される可能性があります。ご了承ください。
- Reuters: Blazers’ sale deal signed, governors’ approval next
- BlazersEdge: Allen Estate Formally Agrees to Sell Blazers to Tom Dundon-led Group
- OPB: Allen Estate announces official agreement to sell Trail Blazers
- Times of India: NHL Carolina Hurricanes owner Tom Dundon officially takes over Portland Trail Blazers franchise
- ESPN: Allen’s estate enters formal agreement to sell Trail Blazers