ニックスの本気補強戦略:ミケル・ブリッジズ獲得でチーム構成が一変

ニューヨーク・ニックスが今オフ最大級のディールを完了した。5つの1巡目指名権を費やしてミケル・ブリッジズをブルックリン・ネッツから獲得した同球団は、直ちに彼との4年1億5,000万ドル(約225億円)の契約延長に合意。フロント陣は、ブリッジズをジェイレン・ブランソン、カール=アンソニー・タウンズと並ぶ中核戦力と位置づけ、タイトル獲得へ本気の構えを見せている。
ミケル・ブリッジズのトレード概要
ニックス獲得:
- ミケル・ブリッジズ(ブルックリン・ネッツから)
- 2026年の2巡目指名権(ネッツから)
ネッツ獲得:
- ボヤン・ボグダノビッチ
- 1巡目指名権 ×5(2025, 2027, 2029, 2031年の無保護+2025年ミルウォーキー経由のトップ4保護付き)
- 2028年の1巡目指名権スワップ(無保護)
- 2025年の2巡目指名権
このトレードは、ニックスとネッツが1983年以来初めて行った取引であり、ニックスが優勝を本気で狙う布陣を整える大きな一手となりました。ブリッジズはビラノバ大学出身で、ジェイレン・ブランソン、ジョシュ・ハート、ドンテ・ディビンチェンゾと再びチームメイトになります。
ミケル・ブリッジズ(Mikal Bridges)選手紹介
項目 | 内容 |
---|---|
出身地 | アメリカ・ペンシルベニア州 |
身長 / 体重 | 198cm / 95kg |
ポジション | スモールフォワード / シューティングガード |
所属チーム | ニューヨーク・ニックス(2024年〜) |
愛称 | The Warden(鉄壁の守護者) |
特徴 | ウィングスパン215cmの万能型ウィング |
プレイスタイルの特徴
- 3&Dの理想形 高精度なスリーポイント(キャリア平均37%前後)と堅実なディフェンスで、現代NBAにおける理想的な「3&D」ウィングとして評価される。
- キャッチ&シュートの名手 特にコーナースリーの成功率が高く、オフボールでも脅威となる存在。
- スイッチディフェンスの達人 1〜3番ポジションを自在に守るスイッチ力と、読みの鋭さでターンオーバーを誘発。2022年にはオールディフェンシブ1stチームにも選出2。
- 耐久性と安定感 5年連続で全試合出場する“鉄人”ぶりは、チームにとって計り知れない安心感。
- 攻撃面の進化 ネッツ移籍後はボール保持の機会が増え、ピック&ロールやアイソレーションからの中距離ジャンパーも武器に。平均得点も20点台に急伸。
ブランソン、ディビンチェンゾ、ハートは、ビラノバ大学時代のチームメイト。
残るロスター枠にベン・シモンズ?
現在ニックスは12人の契約選手を抱えており、ロスターにはまだ空きがある。その中で、最後の1ピースとしてベン・シモンズ獲得の噂も浮上している。
3度のオールスター経験と新人王の肩書きを持つシモンズは、208cmのサイズと優れたディフェンス力、セカンダリープレイメイク能力で特に注目されている。マイク・ブラウンHCが志向するテンポアップやオフェンスの多様化には、理想的な戦力とも言えるだろう。
シモンズ加入のリスクと代替案
ただし、彼のオフェンス面には課題が多い。特にシュートへの消極性や得点力不足は懸念される点であり、昨季はネッツとクリッパーズで平均得点5.0と低迷した。
もしニックスのシステムに適応でき、健康状態も安定すれば、低コストで高リターンを狙える補強になる可能性もある。一方、リスクを避けてマルコム・ブログドンなど安定感ある選手に切り替えるという選択肢も現実的だ。再契約候補にはキャメロン・ペインやランドリー・シャメットの名前も挙がっている。
ニックスが賭ける“最後の一手”に注目
シモンズの潜在能力に賭けるのか、堅実な補強でローテーションを固めるのか──ニックスは今、注目すべき分岐点に立っている。いずれにせよ、ミケル・ブリッジズ獲得を皮切りとした積極的な補強戦略は、「本気でNBAファイナルを狙う」という意思をはっきりと示している。