デンバー・ナゲッツは土曜日、本拠地ボール・アリーナでロサンゼルス・クリッパーズを120-101で圧倒し、NBAプレーオフ1回戦を4勝3敗で制した。最終第7戦までもつれ込んだこのシリーズ、ナゲッツはホームの利を生かし、序盤から攻守にわたりクリッパーズを圧倒。2年連続のNBA制覇へ向け、大きな一歩を踏み出した。
試合は序盤からナゲッツがペースを握った。アーロン・ゴードンが積極的なドライブや力強いダンクでチームに勢いをもたらし、クリスチャン・ブラウンも内外角から効果的に得点を重ねた。前半を60-49の11点リードで折り返したナゲッツは、後半に入るとさらにギアを上げる。
第3クォーター、ナゲッツはディフェンスの強度を高め、クリッパーズのオフェンスをわずか17点に抑え込む。一方、オフェンスではニコラ・ヨキッチを中心にボールがスムーズに回り、内外バランスの取れた攻撃を展開。このクォーターだけで33得点を奪い、93-66と一気にリードを27点にまで広げ、試合の趨勢を決定づけた。
ナゲッツはこの試合、先発全員を含む6選手が2桁得点をマーク。22得点のゴードン、21得点のブラウンに加え、ジャマール・マレーが17得点、マイケル・ポーターJr.が11得点とバランスの取れたオフェンスを展開。ベンチからはラッセル・ウェストブルック対策として出場機会を増やしたレジー・ジャクソンが14得点、そしてヨキッチは16得点、10リバウンド、8アシストとトリプルダブルに迫るオールラウンドな活躍を見せた。3スティールも記録するなど、守備でも貢献度の高さを示した。
試合後、ヨキッチは「プレーオフでは、誰もが重要な役割を果たす必要がある。今日、出場した選手全員がそれぞれの持ち味を発揮してくれた」とチームの勝利を強調した。
一方のクリッパーズは、カワイ・レナードが22得点を挙げ孤軍奮闘するも、ジェームズ・ハーデンは13アシストを記録したが、フィールドゴール成功率が低く、わずか7得点に終わった。ポール・ジョージも10得点と本来の力を発揮できず、チームとしてオフェンスの連動性を欠き、ナゲッツのディフェンスを崩すことができなかった。クリッパーズはこれで3シーズン連続のプレーオフ1回戦敗退となり、チームの課題が浮き彫りとなる結果となった。
次なる相手は西の頂点、サンダーとの激戦へ
ナゲッツはカンファレンス準決勝で、レギュラーシーズンを西カンファレンス1位で終えたオクラホマシティ・サンダーと対戦する。サンダーは若さと爆発力を兼ね備えた強豪であり、シェイ・ギルジアス・アレクサンダーを中心にリーグ屈指のオフェンス力を誇る。
ナゲッツとしては、ヨキッチを中心としたインサイドの優位性を活かしつつ、サンダーの機動力を封じ込めるディフェンスが鍵となるだろう。また、マレーやポーターJr.といったシューター陣の出来も勝敗を左右する。一方のサンダーは、アレクサンダーの個人技に加え、アーロン・ウィギンスやチェット・ホルムグレンといった若手選手の活躍が不可欠となる。
両チームはレギュラーシーズンで4度対戦しており、2勝2敗と互角の戦いを繰り広げている。それだけに、この準決勝も激しい攻防が予想される。ナゲッツが2年連続のファイナル進出を果たすためには、この難敵を乗り越える必要がある。
なお、西カンファレンスのもう一つの準決勝の組み合わせは、ゴールデンステート・ウォリアーズ対ヒューストン・ロケッツの勝者と、ミネソタ・ティンバーウルブズとなる。東カンファレンスでは、インディアナ・ペイサーズがクリーブランド・キャバリアーズとの準決勝シリーズを開始する。